こんにちは、FIRE投資家のカケルです。
今回は「米国高配当ETFのおすすめ3銘柄」について解説します。この記事は3分で読めます。

ETFって名前は聞いたことあるけど、そもそも何だろう?



人気の銘柄は知ってるけど、具体的にどう違うんだろう?
インデックス投資と同等に人気なのが米国高配当ETFへの投資ですが、具体的な銘柄や成績の違いは知っていますか?
そんなアナタに投資歴16年でFIRE済みのブログ管理人が「人気の3銘柄(VYM、SPYD、HDV)」を比較し、徹底解説します。ファンド選びの参考になれば幸いです。
- 「ETF」をそもそも何か知らない人
- 米国高配当ETFに投資したいけど、銘柄の種類・特徴などを知らない人
- 米国高配当ETFのメリット・デメリットについて
- 米国高配当ETF3種類(VYM・SPYD・HDV)の特徴について
- 米国高配当ETF投資をする際におすすめの証券会社について
高配当ETFとは?


高配当ETFとは配当利回りの高い株式で構成された上場投資信託のことです。
配当利回りとは?
「配当利回り」とは、株価に対する年間配当金の割合を示す指標です。
例えば、株価10,000円の銘柄の株式が1株当たり年間配当金500円出していると、配当利回りは5.0%となります。
配当利回り(%)=(1株当たり年間配当金÷株価)×100
ETFとは?
「ETF」とは「Exchange Traded Funds」の頭文字を取ったもので、証券取引所に上場している上場投資信託のことです。
投資信託とETFの違いはコチラ
投資信託 | ETF(上場投資信託) | |
---|---|---|
上場 | していない | している |
価格の更新 | 1日1回 | リアルタイム |
注文方法 | ブラインド方法 (翌日まで分からない) | 成行(価格を指定ししない注文) 指値(価格を指定する注文) |
銘柄数 | 約6,000本 | 約250本 |
(管理費) | 信託報酬一般的にETFより高い | 一般的に投資信託より安い |
購入時手数料 | 商品ごとに販売会社が定める | 証券会社が定める手数料が適用 |



投資信託って価格が動いていないと思ったら、価格が決まるのは1日1回っていうルールがあったのね。



そうですね。それとETFは投資信託より商品が少なく、手数料が安いのも特徴です。
米国高配当ETFのメリットは?


- 分散投資でリスク軽減になる
- 高い配当金(インカムゲイン)が得られる
- ほとんどの銘柄で配当が年4回ある
分散投資でリスク軽減になる
投資信託と同じく米国高配当ETFは複数の資産や銘柄に幅広く分散投資をしているため、リスク低減効果が期待できます。
そのため、一般的には1つの銘柄(個別銘柄)に投資をするよりもリスクを抑えることが可能です。



個別株と比べてリスク分散が出来ているという点は投資信託と同じですね。
高い配当金(インカムゲイン)が得られる
米国高配当ETFに投資をすると、高い配当金(インカムゲイン)を得ることが可能です。
米国高配当ETFは成熟した安定企業が組み入れられていることが多いため、より安定したキャッシュフローを狙うことが可能です。



配当金は完全な不労所得です。再投資もよし、浪費に使うも自由です。


ほとんどの銘柄で配当が年4回ある
米国高配当ETFではほとんどの銘柄で、年に4回ほど配当金を得ることが可能です。投資家にとってより早期にキャッシュフローが生じる点で、日本より米国銘柄のほうが有利です。



日本株式の場合、権利確定日は3月と9月の年2回が多いですね。
米国高配当ETFのデメリットは?


- 運用益(キャピタルゲイン)を狙いにくい
- S&P500に比べてパフォーマンスが悪い
- 配当金が減配される可能性がある
- 配当金に米国課税がかかる(2重課税問題)
運用益(キャピタルゲイン)を狙いにくい
米国高配当ETFの対象となっている銘柄は基本的に大企業が多く、今後劇的に成長する可能性は高くありません。
利益を自社に投資してもすでに市場が成熟しているので得られる利益が限られます。
株式投資最大の醍醐味である大きな売却益(キャピタルゲイン)を狙いたい方にとってはデメリットになるでしょう。
後述しますが、米国高配当ETFに含まれる銘柄というと生活必需品や公益事業、金融、不動産、エネルギーあたりが代表的なセクター(グループ)ということになりますが、情報技術やAI技術などに比べると市場が成熟していて成長性が限られる分野です。



言い換えると、高配当ETFに選ばれる銘柄は「すでに市場では成熟していて大きな成長が見込めない企業」ということもできます。
S&P500に比べてパフォーマンスが悪い
以下のチャートは、高配当ETF(VYM/SPYD/HDV)とS&P500を比較したものです(過去5年の比較チャート)。


S&P500 | VYM | SPYD | HDV |
+69.25% | +40.25% | +24.45% | +27.98% |
米国高配当ETFのメイン企業は大きな成長が見込めない企業が多いと先にお伝えしましたが、米国全体の株価が上がっている時でも「成長力はそこそこ」なので、S&P500と比較すると成長力が劣るのは当然です。



S&P500より動きの幅は小さいので、守りに強いとも言えるかもしれません。
配当金が減配される可能性がある
高配当ETFであっても、減配(配当金減額)される可能性があることに注意が必要です。
個別の企業が出す配当金は保証されているわけではありません。
ただし、ETFは複数銘柄に分散投資をしていることから、1つの企業が配当金を減配したとしても影響は抑えられます。それでもETF全体で見て減配の可能性はゼロではないため注意が必要です。



日本株で言えば、2021年に有名な高配当株「JT」が配当利回りを7.1%→6.0%に減配したのが話題になりました。
配当金に米国課税がかかる(2重課税問題)
ETFの配当金は支払われる都度、税金が源泉徴収されます。
米国での課税 | 日本国内での課税 | |
売却益 | なし | 20.315% |
配当・分配金 | 10% | 20.315% |



ざっくりと米国分10%+日本分20%=30%近くの税金が引かれてしまいます。


一方、投資信託の場合、配当は内部で自動的に再投資されているため税金はかかりません。
ETFで得た配当金を再投資する場合と投資信託の運用成績を比べると、投資信託はETFより投資効率が良いと言えます。
- 米国株式の比較(投資信託)はコチラ→【徹底比較】米国株式への投資はVTIとS&P500どっちがおすすめ?
- 全世界株式の比較(投資信託)はコチラ→【徹底比較】全世界株式への投資はVTとオルカンどっちがおすすめ?
- 全世界株式と米国株式の比較(投資信託)はコチラ→【徹底比較】VT(全世界株式)とVTI(米国株式)どっちを買えばいいの?
米国高配当ETF(VYM・SPYD・HDV)を徹底比較


ここからは、米国高配当ETF(VYM・SPYD・HDV)についてそれぞれ比較しながら解説します。
VYM・SPYD・HDVの特徴は?
VYM | SPYD | HDV | |
---|---|---|---|
運用会社 | バンガード社 | ブラックロック社 | ステート・ストリート社 |
ベンチマーク | FTSE高配当利回り指数 | S&P500高配当指数 | モーニングスター配当フォーカス指数 |
構成銘柄数 | 約400銘柄 | 約80銘柄 | 約75銘柄 |
主要セクター | 金融(19.6%) ヘルスケア(14.4%) 生活必需品(13.4%) | 公益事業(18.48%) エネルギー(17.01%) 金融(14.05%) | ヘルスケア(22.73%) エネルギー(20.64%) 生活必需品(17.11%) |
総資産額 | 46,399.21百万ドル | 8,569.73百万ドル | 13,108.70百万ドル |
分配頻度 | 年4回(3ヶ月に1回) | 年4回(3ヶ月に1回) | 年4回(3ヶ月に1回) |
直近配当利回り | 2.48% | 3.55% | 2.38% |
経費率 | 0.06% | 0.07% | 0.08% |



リスク分散されているのはVYMで、配当利回りが一番大きいのはSPYDですね。経費率はほぼ同じレベルです。
VYMの特徴は?(バンガード・米国高配当株式ETF)
VYMはバンガード社がFTSE高配当利回り指数をベンチマークとして運用するETFです。
構成銘柄の多さが特徴で米国の高配当企業約400社で構成されており、金融、ヘルスケア、生活必需品セクター銘柄を中心に運用されています。
VYMの配当利回りは?
配当は年4回、3ヶ月毎に行われます。直近5年の配当利回りは以下の通りです。
配当年 | 年間配当金 | 配当利回り |
---|---|---|
2017年 | 2.4011ドル | 3.17% |
2018年 | 2.6492ドル | 3.09% |
2019年 | 2.8418ドル | 3.64% |
2020年 | 2.9061ドル | 3.11% |
2021年 | 3.0961ドル | 3.38% |



直近配当利回りは2.48%ですが、過去5年は安定して3%台をキープしていました。
VYMの組入銘柄とセクター比率は?
組入銘柄の上位5社と組入比率は以下の通りです。
銘柄数名 | 組入比率 |
---|---|
ジョンソン・エンド・ジョンソン | 3.34% |
プロクター&ギャンブル | 2.72% |
エクソンモービル | 2.54% |
J.P.モルガン | 2.47% |
ホーム・デポ | 2.21% |
セクター別組入比率の上位5位は以下の通りです。
セクター名 | 組入比率 |
---|---|
金融 | 19.63% |
ヘルスケア | 14.38% |
生活必需品 | 13.44% |
資本財 | 10.09% |
エネルギー | 9.07% |



「情報セクター」の「GAFA」などは含まれていません。3銘柄ので一番バランスよく分散されています。迷うならこれ1本の保有を推奨します。
VYMの過去5年の成績は?
直近5年ではコロナショックで急落等もありましたが、2022.6.22時点で「+29.10%」となっております。
コロナショックの時は、一時的に約-35%の暴落でした。


SPYDの特徴は?(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)
SPYDは、ステート・ストリート社がS&P500高配当指数をベンチマークとして運用するETFで、米国の高配当企業約80社で構成されており、公共事業、エネルギー、金融セクター銘柄を中心に運用されています。
SPYDの配当利回りは?
配当は年4回、3ヶ月毎に行われます。直近5年の配当利回りは以下の通りです。
配当年 | 年間配当金 | 配当利回り |
---|---|---|
2017年 | 1.422151ドル | 4.08% |
2018年 | 1.61832ドル | 4.32% |
2019年 | 1.746223ドル | 5.13% |
2020年 | 1.632091ドル | 4.14% |
2021年 | 1.54921ドル | 4.70% |



人気の米国高配当ETF3つの中でSPYDは一番配当利回りが高いですね。
SPYDの組入銘柄とセクター比率は?
組入銘柄の上位5社と組入比率は以下の通りです。
銘柄数名 | 組入比率 |
---|---|
バレロ・エナジーコーポレーション | 2.26% |
マラソン・ペトロリアム | 1.96% |
エクソンモービル | 1.74% |
シェブロン | 1.73% |
EOGリソーシーズ | 1.72% |
セクター別組入比率の上位5位は以下の通りです。
セクター名 | 組入比率 |
---|---|
公共事業 | 18.48% |
エネルギー | 17.01% |
金融 | 14.05% |
不動産 | 12.20% |
ヘルスケア | 10.75% |



HDVはSPYDとセクターが違うので、一緒に保有するとバランスが良いです。
SPYDの過去5年の成績は?
直近5年ではコロナショックで急落等もありましたが、2022.6.22時点で「+21.72%」となっております。
コロナショックの時は、一時的に約-45%の暴落でした。


HDVの特徴は?(iシェアーズ コア米国高配当株 ETFHDV)
HDVは、ブラックロック社がモーニングスター配当フォーカス指数をベンチマークとして運用するETFで、米国の高配当企業約75社で構成されており、ヘルスケア、エネルギー、生活必需品セクター銘柄を中心に運用されています。
HDVの配当利回りは?
配当は年4回、3ヶ月毎に行われます。直近5年の配当利回りは以下の通りです。
配当年 | 年間配当金 | 配当利回り |
---|---|---|
2017年 | 2.948988ドル | 3.59% |
2018年 | 3.094937ドル | 3.43% |
2019年 | 3.208827ドル | 3.80% |
2020年 | 3.567859ドル | 3.64% |
2021年 | 3.508022ドル | 4.00% |
HDVの組入銘柄とセクター比率は?
組入銘柄の上位5社と組入比率は以下の通りです。
銘柄数名 | 組入比率 |
---|---|
エクソンモービル | 9.25% |
アッヴィ | 6.18% |
シェブロン | 5.87% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | 5.75% |
JPモルガン・チェース | 5.58% |
セクター別組入比率の上位5位は以下の通りです。
セクター名 | 組入比率 |
---|---|
ヘルスケア | 22.73% |
エネルギー | 20.64% |
生活必需品 | 17.11% |
金融 | 10.47% |
公共事業 | 8.15% |



SPYDはHDVとセクターが違うので、一緒に保有するとバランスが良いです。
HDVの過去5年の成績は?
直近5年ではコロナショックで急落等もありましたが、2022.6.22時点で「+24.49%」となっております。
コロナショックの時は、一時的に-35%の暴落でした。


高配当ETFを購入するならどこの証券会社がおすすめ?
米国高配当ETFへの投資を始めたい人向けに、おすすめの証券会社を紹介します。
楽天証券


楽天カードとの相性が良い楽天証券では、米国ETF「15銘柄」の「買付手数料が無料」です。業界最多です。
以下の15銘柄に投資したい人は口座開設しておきましょう。
(今回紹介した3銘柄の内、SPYDは含まれています)
ティッカーコード | 銘柄名 | 経費率 |
---|---|---|
QQQ | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF | 0.20% |
SPYD | SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF | 0.07% |
VGT | バンガード 米国情報技術セクター ETF | 0.10% |
EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | 0.84% |
AGG | iシェアーズ コア 米国総合債券市場 ETF | 0.03% |
IYR | iシェアーズ 米国不動産 ETF | 0.41% |
VT | バンガード®・トータル・ワールド・ストックETF | 0.07% |
VOO | バンガード・S&P 500 ETF | 0.03% |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | 0.03% |
SPY | SPDR S&P 500 ETF | 0.09% |
RWR | SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF | 0.25% |
GLDM | SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト | 0.10% |
AIQ | グローバルX AIビッグデータ ETF | 0.68% |
FINX | グローバルX フィンテックETF | 0.68% |
GNOM | グローバルX ゲノム&バイオテクノロジーETF | 0.56% |
SBI証券


三井住友カードとの相性が良いSBI証券では、米国ETF「9銘柄」の「買付手数料が無料」です。
以下の9柄に投資したい人は口座開設しておきましょう。
(今回紹介した3銘柄の内、SPYDは含まれています)
ティッカーコード | 銘柄名 | 経費率 |
---|---|---|
VT | バンガード®・トータル・ワールド・ストックETF | 0.07% |
VOO | バンガード・S&P 500 ETF | 0.03% |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | 0.03% |
QQQ | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF | 0.20% |
SPYD | SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF | 0.07% |
VGT | バンガード 米国情報技術セクター ETF | 0.10% |
EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | 0.84% |
AGG | iシェアーズ コア 米国総合債券市場 ETF | 0.03% |
GLDM | SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト | 0.10% |
まとめ
- VYMは一番多くの銘柄にリスク分散投資されており、バランスが良い。迷うならこれ1本を推奨。
- SPYDは3つの中では最も配当高い利回りが高い。HDVと相性が良い。
- HDVは財務健全性が高い銘柄に投資されている。SPYDと相性が良い。
米国高配当ETFにはそれぞれ特徴があります。配当利回りの高さだけを重視してどれか1つのみに投資するのはリスクがあることをお忘れなく。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。